2017年11月13日月曜日

外食

東京に「原価率研究所」というカレー屋さんがある。
200円という破格の値段でカレーを提供しているお店なのだが、前にインタビューの中で「味をあえて落とした」と答えていたのが印象的だった。
なぜ落としたかといえば、その店の理想は「毎日食べられるカレー」だったからだ。
つまり、美味しすぎるカレーは毎日飽きずに食べることが難しいのだ。
これは外食において必ずしも「味」が最上位にこないことを意味している。

人はそ外食に何を求めるだろうか。
一番単純なところに「腹を満たしたい」という願望が位置するだろう。
料理しなくて良い、という利便性も重要だ。
また「まだ食べたことがないものが食べたい」という興味・好奇心が多くを占める時もあるだろう。
ポイントを貯めたいというマニア精神のためや、インスタ映えする写真や話題作りのために外食することもある。
さらに、大盛り、ゲテモノのようなアトラクションとしての機能を期待することもある。
考えてみると「味」以外の要素はとめどなく思いつくだろう。

コンフォート・フードという概念があって、心地よい記憶と結びついた食事はその人にとって特別な存在になりやすく、なかなか断つことが難しいそうだ。
家庭で家族団欒で食べた料理などが特別な存在になるだろうことは想像に難くないし、「おふくろの味」に一役買っているのかもしれない。

マクドナルドにはかつて店舗の横に子供のアスレチックスペースがあったものだ。
ここに連れてこられた幼児はマクドナルドを特別で素敵な場所だと記憶に刻み込むだろう。アメリカでは以前そんな理由から社会問題になったこともあるらしい。

自分は何となく「美味いものが食べたい」という理由で外食をしていたつもりだったが、思い返してみれば上述の理由が少なからず関わっているように感じるし、もしかすると「味」の面をそうした要素が超えているものもある気がした。

そんなことを思いながら板チョコをほおばっている。

P.S.
喫茶マウンテンに美味しさを求めたことはない。念のため。

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