2018年1月31日水曜日

ダブルチーズバーガー改造計画

マクドナルダー(マクドナルドが好きな人間)、名古屋地区代表のジャネイロです。
ハンバーガーが美味しい季節になりましたね、みなさんハンバーガー食べますか。

去年の暮れからマクドナルドでやってたキャンペーン、ちゃんと把握してますか。
ダブルチーズバーガーに何かが起こっていたんですよ!!!

テンションを出し切ったので、いつものテンションに戻ります。
ダブルチーズバーガーといえば、マックの定番メニューの一つ。
マクドナルドの総選挙でも優勝した、いわばマクドナルドで一番の人気商品です。

そんな完成されたダブルチーズバーガーに手を加えてキャンペーン商品なんて作れるはずがない、ということで食べにいってきました。

まずは「トリチ」ことトリプルチーズバーガー。
総選挙優勝の公約で前回ごくわずかな間だけ販売されたトリプルチーズバーガーが帰ってきました。前回は食べ損ねたので、すでに嬉しい!!
さてお味は……

美味い。
パティ(肉)とチーズのバランスはダブルチーズバーガーの時のまま、単純に1.5倍の迫力になったジャンクフード感びんびんの最高なバーガーです。


やっぱりパティとチーズは1:1だよなー。
なんてことを考えながら、次は「チーチーダブチ」ことチーズチーズダブルチーズバーガーという(頭の悪い)バーガーを頂きます。
このバーガー、いつものダブルチーズバーガーに、通常のチーズとは違う種類のチーズが2枚挟まれています。
絶対チーズ多いって……
さてお味は……


美味い。
やはりチーズの味が前面に出てはいますが、肉の味がチーズに包まれ、まろやかながらも絶対的なコクで殴られます。これもジャンクフード感強い!
正直、チーズチーズダブルチーズバーガーはレギュラーにして欲しいぐらい好きだった……


さて、実は今週からもう一つのダブルチーズバーガーが販売されています。
その名も「ダブダブチ」ことダブルダブルチーズバーガー!!
パティ4枚、チーズ2枚の圧倒的ボリューム!!
からだ巡り茶で広末涼子が浄化出来るなら、ダブダブチはだいぶ濁らせられそうですを
さてお味は……


美味い。
が、チーズの味がほとんどしない……
肉とチーズのバランスがあまり良くないです。
たぶんチーズなくてもそんなに味が変わらないのでは??
ボリュームがあるのはいいんですが、チーズバーガーではないですね。
ここは更にチーズ2枚追加で、チーチーダブダブチにして欲しい……


さて、そんな感じで3種のバーガーを食べたわけですが、僕はやはりチーチーダブチが好きでした。追加のチーズはコクが豊かで最高でした。

ダブルチーズバーガーキャンペーンはこれで終わりのようですし、僕はまたビッグマック、ポテトL、コーラLの生活に戻ろうと思います。
また新商品出たら食べに行きます。

2018年1月30日火曜日

生活を立て直せ~冬v.s.コーヒー~

朝起きる。どうも眠い。まだ体が目覚めていないようだ。
そんなこんなで大学に行く。昼ご飯を食べるが、まだなんとなく眠い気がする。
眠いし夕方くらいに研究室を出て家に帰る。夕食を食べると眠気が襲ってくる。
つまり冬は一日中眠いのだ。
冬眠しようと思う。
~完~


では、なかなか生活していられない。
そもそもなんで冬は眠いのだろうか。
「冬季うつ病」などというのも世の中には存在していて、冬は気分が落ち込む傾向にあるらしい。とても庭を駆け回ってなどいられない。

原因としては「日照量の減少」と聞いたことがある。
確かに朝起きて薄暗いとそれだけで眠い。

あとは気温が低いとか、低気圧がどうこうとか、そういうなんやかんやが関係しているのだと思う。
たぶん副交感神経(リラックスする時のやつ)が優位なんだろう。

僕の中で副交感神経が「おいおい、まだまだ休んだほうがいいぜ」「出かけるなんて危険だ。早く布団に戻れよ」としきりに勧めてくるので、体が思うように起動状態にならないのだろう。副交感神経も僕を守るために勧めてくれているので、むげに扱うのも悪い。
という訳でなんとかここは交感神経に頑張ってもらうことにした。

簡単だが、とりあえず朝食後にコーヒーを飲むことにした。
これで体が起動状態になる。
一日の中で何回かコーヒーに頼るので、薄めのを一杯飲む。

コーヒーだけではまだ足りない、という時もある。冬は強い。とても強い。
そんな時はコーヒーで生まれたエネルギーを利用して、なんとかシャワーを浴びる。
熱いシャワーを浴びると、体の電源が起動した感じがする。

これで朝にしっかり体を起動しておくと、割りと一日は元気が持ったりする。
それでも時間とともに「あー体のエンジンが落ちてきたなー」となったり、そこを飛ばして「もう何もしたくない...」状態にもなるので、そういう時は追いコーヒーである。

しかし、コーヒーも飲み過ぎるとカフェインが効かなくなってくると思う。
一日3杯くらいを限度にしたほうがいいだろう。
そして出来れば薄めにして飲もう。

医学的根拠はある「気がする」だけなので、騙されないように。

ソーセージ・レジェンド

この記事はソーセージ・レジェンドについてである。
僕が愛してやまない映画『ソーセージ・パーティ』については日を改めて書かせて頂きたいと思うので、みんな視聴して待ってて欲しい。
ちなみに別にこの記事を書いたからといって、ソーセージ・レジェンドの開発元からシャウエッセンが送られてくるとか、そういういい事はない。
だから、是非だれかシャウエッセンを送って欲しい。

ソーセージ・レジェンドはゲームアプリである。
おそらく電車でスマホをいじる老若男女の8割はこのゲームをプレイしているはずだ。
あとの2割はアングリーバードをやっている。

このゲームが何のゲームかは、タイトルで一目瞭然。
ソーセージ・レジェンド。
日本語に直せば「腸詰め伝説」である。
さぁ一緒に伝説を作っていこう。



荘厳なBGMとともに「Sausage Legend」のロゴが表示される。
おぉ、早くも剣と魔法のファンタジーが始まりそうな予感がする。
スタートをした途端にちょっと寂しげな音楽と共に名前入力に移行しそうだ。
ロゴの後ろで立派なソーセージがぶらぶらしてる気もするが、気にしないでおく。
(ついでに、上に出てくる広告も無視してくれ)



ソーセージ・レジェンドだが、色々とモードがある。
まぁここはやはり1プレイヤーモードでいこう。
友達もいないし。

1プレイヤーモードを選択するとノーマルモードかレベルアップモードを選べる。
レベルアップモードでは自分で強化したキャラクターを使えるが、ここはシンプルなノーマルモードを選択。




次はキャラクター選択だ。
これだ!、というキャラを選んで冒険に出かけよう。



さぁどのキャラクターを選ぼうか......
どのキャラクターも複雑な背景が垣間見える顔をしている。
一体彼らはこれまでどんな人生を送り、そして腸に詰められるに至ったのか……

ここはゲームの紹介、ということで主人公(きっと一番上にいるから主人公だ)を選ぼう。
さぁ、ホットドッグの物語がここから始まる!!



あっ!!!ウィンナーソーセージだっ!!!
ここまで引っ張ってなんだが、ソーセージ・レジェンドは格ゲー(?)である。

操作は簡単。
相手に攻撃が当たりそうな時に画面をタッチするだけ。

すると元気がなかった僕のソーセージも、身を起こして戦闘状態に。

おりゃ、おりゃ。くらえ、くらえ。



ひたすら僕のソーセージが相手のソーセージをつんつんする。
僕のソーセージからの刺激によって、ついに相手は限界に達し…………






発破っ!!!!

見るも無残に砕け散ってしまった……


そうして同じようにつんつんして、きりたんぽを撃墜し……



続けてブラート・ヴルストを撃破した。





僕のソーセージは世界一!!

このまま世界を救ってやるぜっ!!!(世界は救えない)
さぁいよいよボス戦。
かかって来い、アメリカンドッグっ!!!!





あっ



あ……


こうして僕の冒険は終わった。

ゲームモードで入手したコインを使って、ガチャも引ける。
ガチャで新しいソーセージを入手すればゲームで使用出来るようになる。

レベルアップモードに向けて自分のソーセージを強くすることも出来る。
自分のソーセージを逞しくしたい人はどんどんお金を費やして欲しい。
1ランク上の漢になれると思う。


日々のソーセージ成分が足りないという方は是非プレイしてみてくれ。
そして2プレイヤーモードで闘おう。友達募集。


P.S.
余談だが、なぜかリーダーボードが開かなかったので、僕が頑張って連勝を重ねた記録は自慢できなかった。何のために頑張ったんだ………



みんなが好きなゲームの話
ちびロボ!
サルゲッチュ
ジャックxダクスター
どうぶつの森
スタートの儀式

2018年1月26日金曜日

森見登美彦とは

「まぁなんとかなるさ」「今を楽しむことが重要だ」などと嘯きながらも、その姿のいまだ見えぬ明日への不安を抱いている。一方で摩訶不思議な出来事に巻き込まれながらも、一方で等身大の生活を楽しんでいるのだが、同時にその生活自体に悩んでいる。
森見登美彦の世界にはそんな学生がよく登場する。
そして大体の場合、舞台は京都だ。

森見の作品に最初に触れたのは映画『夜は短し歩けよ乙女』である。
以前からその名前は耳にし、書店で表紙を目にし、友人が語るを聞きし作品ではあったが、勝手にポップな世界をイメージして敬遠していた。
しかし、映画となれば話は別だ、と思い特に前評判を聞くこともせず、下調べもせず、ふらふらと映画館に吸い込まれていった。

だがその映画の素晴らしさたるや、油断してガードを下したところにアッパーカットを合わせられたような衝撃であった。
それは湯浅監督の貢献も大きいわけだが、それで俄然この「森見登美彦」という作家に興味を持つに至った次第だ。

それから『四畳半神話大系』を読み、『太陽の塔』を読み、あれを読みこれを読み、いつの間にか全作品を読んで、エッセイと対談集まで読んでしまった。

実をいうと、『四畳半神話大系』を読むまでの6,7年間、ほとんど小説というものを読まなかった。なんというのか、現実の自分と小説の中の主人公との間の乖離を感じ、明るい話を読んだ後も明るい気分にならなかったからだ。
映画やアニメなどと比べ、自分で想像する部分が大きいからなのかもしれない。

一方で森見登美彦の世界はファンタジーで飾りつけてあるが、その根幹には劣等感を感じ将来に怯えながらも強がる、主人公の不器用さ・弱さのようなものを感じた。
あえて言うと恥ずかしいが、自分を投影することが出来る像であった。
自分が投影するために、その部分ばかりを見ているのだと言われたら否定はできないが。

そういえば、大学生が主人公だから、逆にそれが重くてなかなか読めないと言っている友人がいたが、おそらく彼は僕よりも器用なのだ。器用な人間にはおもりとなる物語が、不器用な人間には翼となることもある。

もしかするとそれは森見登美彦自身の経歴ゆえなのかもしれない。
大学4年の時に研究室からドロップアウトした森見は、大学院に(なぜか入れたので)もどり、在学中に『太陽の塔』でデビューを果たしている。
大学時代に森見が感じていた漠然とした不安感が下地になり、物語に昇華しているのかもしれない。


せっかくなので、ぜひ読んでほしい作品をいくつか紹介する。僕の拙い文章で興味が出た方は是非読んでみてほしい。

『四畳半神話大系』
アニメ化もされた、森見登美彦の代表作。
下宿の仙人、謎の美女、黒髪の乙女、そして妖怪じみた悪友が腐れ大学生の「私」を様々なトラブルへと突き落としてゆく。
原作の4部構成、そしてそれをさらに拡大したアニメ版ともに見事。
語るに及ばず、一見の価値あり。


『有頂天家族』
糺ノ森に住む狸の家族。四兄弟の三男、矢三郎は父から受け継いだ「阿呆の血」ゆえに、様々な問題に首を突っ込み、巻き込まれていく。
京都を舞台にたぬきの頭領争い、天狗の相続問題、そして様々なもめ事の裏に暗躍する影。
三部作で現在二部まで刊行。三部はおそらく5年後くらい...?
これもアニメ化されており、昨年に放送されたばかり。
他の作品とは異なり、家族愛・兄弟愛にスポットを当てた作品である。
感動はするわ、血は煮えたぎるわ、なエンターテイメントである。


『ペンギン・ハイウェイ』
常に何かを学ぼうとする理知的な少年と、歯科医院の不思議なお姉さん。
ある日、街に現れたペンギン。森に広がる不思議な空間、そしてペンギンを襲う怪物...。
他の作品に比べ、より低い年齢層でも楽しめる作品。
それでいて、一番切ない作品かもしれない。

『きつねのはなし』
京の街で一本脇道に入れば、そこには怪異が佇んでいる。
そんな京都怪異物。森見登美彦の元々の作風はこっちらしい。
普段書いているコミカルでセンチメンタルでノスタルジーな作風とは大きくことなり、しっとりとした情景にとぷんと飲み込まれるような作品。
京の街だからこそのリアリティと、どろどろとした不気味さの虜になること請け合い。

『夜行』
刊行された作品の中では最新作にあたる。
十年前の鞍馬の火祭りで行方不明になった女性。
当時の仲間で集まる夜に各々が語り出す「一本向こうの」世界の話。
そして全てを結びつける岸田道生の連作「夜行」とは?
「きつねのはなし」では京都怪異物に落とし込むことで自然と抑えられていた、湿度の高い恐怖に飲み込まれ、読んだ後は世界の不安定さが恐ろしくなる。
叙情的でじめっとした質感が肌まで伝わってきて、限りなく不気味。
とてもおすすめ。


以上、短くはなったが幾つか作品の紹介をさせてもらった。

是非読んで欲しい。

2018年1月25日木曜日

友よ、期待してくれるな

期待されるのが苦手だ。故に僕になるべく期待しないで欲しい。
人というのはいつのまにか他人に期待して、他人がそれに沿わないと怒ったり悲しんだりする、実に勝手な生き物である。

そういう僕もなんとなく人に期待していて、それが叶わない時には怒ったり悲しんだりしている。お店の人は笑顔を見せてくれるし、LINEはすぐに返ってくるし、明日の天気は晴れだ、となんとなく思っている。
そういう期待が何世代も重なって「礼儀」とか「常識」とか、もっと言えば「法」とかが作られているのかもしれない。
挨拶も貸した金も返ってくるはずなのだ。
みんなが「普通に」期待することだから、それが正しい事になっているのかもしれない。

マナーの押し付けは、期待の押し付けみたいなところがある。
別にそれはあなたが勝手に期待しているだけで、僕がそれを守らなかったからといって怒られても困る、ということもままある。
「お前のルールなんて知らないよ」なんて思って適当にしていると「常識がない」と言われて、よく信用をそこら辺に落としている。どうやら彼だけでなくみんなが期待する「常識」というやつだったらしい。これは線引きが難しい。まぁ常識を守らなきゃいけないという事もないのだけれど。

アドラー曰く、相手の怒りなどは「相手の問題」である。相手が怒ることは、相手が自ら行う行為であり、それに拘泥する必要はないと言う。
僕もそれには賛成だけれど、そう生きられるほど強くないので困ってしまう。
人の期待に沿わない、というのは自分でレールを敷く必要がある。期待に沿わなくていいので、それをサボるも自由だ。となるとサボってしまう気がするし、色々なことが適当になってしまう気もする。
自分で定めたルールを守るというのはなかなか大変なことなのだ。

まぁそれでもどうも人の期待に応えるのが苦手なのだ。
諦めでもあるし、開き直りでもあるが、かっこつけでもある。むしろかっこつけである。
自分の磁石はどちらを向いているか。

2018年1月24日水曜日

ジャックxダクスター

少年が駆け回るっ!!
ジャングルを、火山を、孤島を、海中遺跡をっ!!
肩にイタチを乗せてっ!!


ジャックxダクスターとはつまるところそんなゲームである。
2001年に発売されたPS2の米ゲー、開発はノーティドッグ。

舞台は自然エネルギー「エコ」が宿る原始文明世界。
古代プリカーソル文明の超技術を活用し、この世界の人々は気ままに生活をしている。
そんなエコの一つ「緑のエコ」の研究者であり「緑の賢者」セイモス・ザ・セイジィの下で修業する二人の若者、ジャックとダクスター。
彼らは師が立ち入りを禁じたミスト島に小冒険へと出かけるが、そこでは何やら良からぬ者たちがひそかに蠢き始めていた...

というのが簡単なあらすじである。
その後、なんやかんやでダクスターはイタチになり、二人は闇の力「ダーク・エコ」に立ち向かっていくのだ。

詳しくはオープニングムービーでも見て欲しい。



そんなゲームだが、これがなかなか。面白いったら面白い。
アクションの切れ味は抜群、スピード感も良い。
なにより「冒険してる感」がびんびんにある。少年の心(すでに殆ど失われた)がかき立てられる。

正直、本当に少年だった小学生当時の僕には難易度が高くだいぶ苦戦した。
その後何回か遊びなおしたが、大人ならわくわくする程度のストレスのない難易度だと思う(ゲーム慣れしていない人はだいぶ大変だと思う)

やはり体力が3つ(緑のエコを最大チャージしても4つ)しかないので、適度に緊張感が保たれてよい。これが体力1つだと即死ゲーになるし、体力が多すぎると簡単すぎて強行突破しがちだ。
3つくらいがちょうどいい。

基本的には数あるミッションを自由にこなしてプリカーソルを集めているうちに、いつの間にか次のステージへと進めている。ストーリーを楽しむなら、とりあえず手の付けられるミッションからこなしていけるので、ここもストレスフリーだ。

最初から最後までジャックのアクションが増えたり、攻撃力が増したり、体力が増えたり、という成長はない。だからその分、自分の成長が目に見える。気持ちいい。

キャラクターは洋ゲーらしいデフォルメとクセの強い性格(大体性悪)で、世界にするっと入り込んでいける。変に気取った「良い」キャラクターもいないし、みんながみんな等身大な感じが素敵だ(これはラブデリックにも通じる)。
クラッシュ・バンディクーやバンジョーとカズーイが好きな人には絶対受けるはずだ。


さて、思い出補正も入ってべた褒めしたこのゲームだが、欠点はないかと言えば、ものすごい欠点がある。

ゲームを起動してタイトル画面が表示される、早くプレイしたい!!
と思って〇ボタンを連打する。
すると、何故か最初のオープニングムービーが流れる。

実はこのゲーム「さいしょからはじめる」が毎回一番上に表示されるのだ、
そのため、〇ボタンを連打していると最初からゲームが始まることになる。
まぁそれは良い。いや、普通は良いはずだ。リセットすればいいのだから。

最悪なのは、「さいしょからはじめる」を選択してムービーが流れるまでの間に自動セーブがされるのだ!!
つまり、ムービーが流れ始めた時に選択間違いに気が付いても、すでに手遅れ
今まで頑張ったセーブデータは上書きされゼロからのスタートになってしまう!!

...僕が全クリまでに一体何回データを飛ばしたか分からない。
オープニングムービーが流れた瞬間にうなだれ、そのままPS2の電源を落としてしばらくゲームに触れなくなるほどのダメージがある。
これからプレイしようという方は、本当に注意してほしい。

追伸:

噂によるとPS4版も出ているらしい。
大ファンとしては改善されていることを願うばかりだ。


みんなが好きなゲームの話
ちびロボ!
サルゲッチュ

2018年1月23日火曜日

最近聞いてる曲(2018.01)

こないだブルーグラスの話をしたから、今日は邦楽について。
気に入ったバンドなどあったら良いなぁ。

【Pellicule / 不可思議/wonderboy】

24歳でこの世を去った孤高のポエトリーラッパー・不可思議/wond­erboy。 死後残された衝撃的な映像によってyoutubeを中心にファンが増加、近年音楽関係­者のみならず、多くの若者にその存在が知られてきました。(動画説明文より)

なかなか本気になれない自分を奮い立たせるような曲が多くて心に刺さる。

不可思議/wonder boyの死後に神門がcoverした「Pellicule」も一緒に聴くとより素晴らしいです。



【LIFE / GOMESS 】

第二回高校生ラップ選手権で準優勝のラッパーGOMESS。
彼が自分の病気(自閉症)の混乱について真っ直ぐに歌った曲。
彼自身が感じている恐ろしさが真っ直ぐに伝わってくる。
最近はポエトリーリーディングの楽曲が多いかも。


【アニー / ズーカラデル】



もう、女声コーラスが最高。
Vo.の吉田崇展の声も優しくて、耳に心地よい。
僕はこういう人間賛歌みたいな曲調が好きです。
あと、ラスサビ前のギターソロのフレーズの感じも好き。



【Lucky / Lucie,Too】


女性スリーピースバンド。
なんとなく相対性理論っぽい曲調。
MVも可愛らしくて癒される...



【DON'T WORRY BOY / Homecomings】

今更ながらHomecomings。
この曲が入ったアルバム「SALE OF BROKEN DREAMS」を最近ヘビロテ中なのだ。
日本語訛りの英語が結構好きで、『パラッパラッパー』のマスターオニオンとかすごく好き。


もし気に入ったバンドなどあれば、一緒にわきわきしましょう。

わきわき。

2018年1月22日月曜日

カレー

カレーが大好きだ。
というか日本人の95%は夕食がカレーライスだったら嬉しいはずだ。
僕もテンションが上がるので、いつも叫びながら布団に飛び込んでいる。

高校生の頃から自分でカレーライスを作り始めて十年弱たつ。
そうなってくると、こだわりが出てくるような気もするが、相変わらずカレールーを使う日々である。

カレールーはゴールデンカレープレミアムを使う。
他のやつより高い分、香りが良い。
一晩寝かせると香りが飛ぶので早めに食べたいところである。

にんじんと玉ねぎはざく切り。
しっかり玉ねぎを炒めると確かに美味しい気がするが、面倒なときは軽めでも構わない。
じゃがいもは大きめに切ってレンチンしてルーをとかした後に入れる。
じゃがいもが溶けてルーの味がぼやけるのがちょっと嫌なのである。
肉は適当だが、鶏ももが一番楽に美味しい。

カレーを自分で作り始めるきっかけになったのが、高校の図書館にあった水野仁輔の『カレーになりたい!』である。
まずこの水野仁輔という人がただものではない。
近年はカレースターとして活動しているが、関わってきたカレーに関係する書籍の数は100冊を超え、あちこちで出張カレーを作ったり、様々なカレーイベントを企画したり、と日本カレー界の顔とも呼べる人物である。

この『カレーになりたい!』はカレーにのめり込んでいく中で、友人たちに「将来的にどうなりたいのか」と聞かれ、「僕はカレーになりたいんだよ!」と言った、というエピソードから始まる。いい意味で一線を越えてしまっている。

とにかくこの本からは水野仁輔の並々ならないカレー愛がばしばし伝わってきて、僕はその気に障てられてカレーを作り始めた。

水野仁輔の本は何冊か持っているのだが、なかなか実践につながらないのは、1つ2つでも材料を揃えるのが面倒に感じる僕のズボラさ故である。
だが、その中の数点でも活かしてみると確かにカレーが美味しくなった気がする。

もしかすると、自分で手をかけてカレーを作るとより美味しく感じるのかもしれない。
「カレーはルーの箱の裏の作り方で作るのが一番美味しい」と最近Twitterなどで見かけることがあるが、元はといえばこの話を作り出したのも水野仁輔である。
氏がTV番組でやった実験の結果であるのだ。
しかしそれは「万人受けする美味しさ」であり、隠し味や独自の手法を入れることで「その家だけの美味しさ」が作られることもまた事実だ。
と後に水野仁輔は語っている。

一応外でもカレーを食べにいくのだが、困ったことに僕は辛いものが食べられない。
甘口と中辛の中間くらいが一番好きだ。

インドカレーは大体の店は味が似たり寄ったりだが、どこも美味しい。
ちょっとこだわった店だと個性が出てたりする気もする。
なんだかんだバターチキーカレーが一番美味いような気もする。

いわゆる家カレーみたいなカレーだと、何だかんだ言ってsora cafeのカレーが好きだ。
喫茶店のカレーは辛さが選べない事が多く、頼んでみたら辛くて辛い事が多い。

最近はタイカレーも食べたいと思うのだが、少し敷居が高い。
ただココナッツミルクのコクには中毒性があるのか、一度食べると何度でも足を運びたくなる。安いレトルトを買ったらコクが全く無かったのでもう買わない。

カレーうどんだと黒川の鯱乃家が最高なのでぜひ行ってほしい。
「若鯱家」という名前を今の若鯱家に取られた悲しい店である。元祖若鯱家なのだ。

レトルトカレーは味の違いがよく分からないので、いつも70円くらいのショボいカレーを買っている。学食のカレーのような安い味もこれはこれで美味い。
もちろん無印のレトルトカレーは美味いのだが高いからなかなか買えない。
最近はカレーメシにはまってしまって、コンビニでご飯を済ます時は必ずカレーメシにしている。まだ食べてない人は今すぐ食べて欲しい。

ところで今日はカレーの日らしい。
ということで今からカレーメシを買いに行こうと思う。
カレーを食べよう。カレーは薬膳。カレーは人生。

2018年1月21日日曜日

金華山探訪紀

金華山を知っているだろうか。
東海圏以外の人に説明すると、岐阜にある山である。
頂上にはかの織田信長の岐阜城(コンクリート製)がそびえていたり、麓の公園はかの板垣退助が襲撃された場所だったり、と意外と話題性のある山である。

名古屋からJRに揺られる事30分ほど、岐阜駅に到着する。
県外とはいうものの、愛知県内の豊橋などよりずっと近い。
見習ってほしい。

岐阜駅からはバスで金華山の麓まで向かう。
4本ほどバスがあるため、とりあえずバス停に向かうが寸前で逃す。
と思ったら隣のバス停にバスが来ている。
ラッキー!と思ってそちらに向かうが、またも寸前で逃す。
どちらかのバス停から乗ろう、と時間を見ていると、先程出たばかりのバス停にバスが来ていた。なんとか駆け足で滑り込んだ。

普段バスに乗らないだけに、バスに戸惑う無様な姿を岐阜人に見せつけるところから岐阜探訪は始まった。

バスにしばらく揺られ、博物館前で下車。210円だった。お得じゃないか。

さっそく登山道に向かおうと思って探すのだが、見つからない。
あまりに見つからないため、ロープウェーのお姉さんに聞きに行く。

「この道をまっすぐいく看板ですぐわかる」
と言われたのだが、その道はいま僕が歩いてきた道だ。
子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だものではないが、分からなかったので叱られても仕方がない。

仕方ないので来た道を引き返すと、すぐ分かるとは言い難い看板を発見した。
すぐ分からなかったので笑った。

実は前に母に連れられ、「馬の背登山道」を登ったことがあるのだが、率直に言って崖だったので今回は「瞑想の小径」を辿る事にする。

分岐点までがすでにしんどかったので、嫌な予感はしていたのだが、瞑想の小径も十分にきつかった。崖だった。
ところどころに偉人の名言が書いてあるのだが、それを読むたびに足元が疎かになって崖を落ちそうになるので、あれは罠である。注意されたし。

後半30分ほど、「凸凹で一段一段が妙に高い岩でできた」階段を登り続けたため、頂上に着いたあとはしばらく動けなくなった。死ぬかと思った。
板垣死すとも、自由は死せず。僕は死ぬ。人はいつか死ぬ。

なんとか体を持ち上げ、自販機でりんごジュースを買う。
体の細胞ひとつひとつにりんごが染み込んでいくのが分かった。

軽くコンクリート城を見て、ロープウェーを使って麓へ降りた。
元気が残っていなかったのである。
ロープウェーは早い。歳と共に体が衰えるのはもっと早い。

麓の公園内には世界的にも貴重(らしい)である「名和昆虫博物館」がある。
せっかくなのでそちらにも立ち寄った。
壁中に並べられた昆虫標本は圧巻で、いつ行っても素晴らしい空間である。
虫が好きな人も苦手な人も一度行っておいて損はない。
特にモルフォ蝶の壁一面の標本は言葉を失う美しさである。ぜひぜひ。

虫を見たらお腹が空いたので、昼飯にしようと店を探す。
が、なかなか店がない。
岐阜駅に向かう途中に何かあるだろう、と駅に向かってぽつぽつ歩くのだが、何もない。
バーミヤンしかない。ドンキもある。

なかなか店を決められないまま、気づくとJR岐阜駅に帰ってきていた。
駅舎でラーメンを食べて帰った。

やはり岐阜で食べる博多ラーメンは美味かった。

雑文

(連想していていったものの書きなぐり)

今日はいっぱい楽しんだからもう布団から出られそうにない。

布団ってぬくぬくして最高だ。冬眠だって出来そうだ。

熊の冬眠は断食がセットだからなぁ。辛そう。

そういやユスリカは身体から水分抜いて休眠状態になれるんだっけか。
その状態なら南極の冬だって越せる、みたいな。

前にテレビで海が凍結するときに、氷の柱が海中を走って、取り込まれた魚やヒトデかま凍死するっていうやつを見たな。死の氷柱って厨二くさいな。

そういえば、地面に刺した氷の剣で間接的に相手を倒した試合が烈火の炎であったな。

烈火の龍、あんま覚えてないけど刹那っていうのがカッコ良かった記憶。

桐生刹那といえば、ケンガンアシュラで主人公のライバル的立ち位置だったけど、先週の感じからどうなるんだろう。

ケンガンアシュラにはバリツの使い手が出てくるんだよな。やられたけど


シャーロック・ホームズの使うバリツって結局なんなんだ。
全キャラが犬のアニメホームズは最高だったなぁ。
モリアーティがまた素敵なへなちょこ悪役でたまらない。

そういえばモリアーティを主人公にした海外ドラマもあるんだっけか。
悪役が主人公のピカレスクは良い。

悪役主人公のドラマといえばやっぱハンニバルだよな。
3rdシーズンまで見たけれど、どんどん耽美になっていって、どっかで理解を超えてしまった感がある。

耽美っていうとなんとなく萩尾望都が浮かぶなぁ。
といっても衛星第二の冬休みアニメスペシャルかなんかで、「11人いる!」を見ただけなんだけれど。漫画もそれだけ。

衛星第二って冬休みとか夏休みに古いアニメとかいっぱいやってて楽しかったなぁ。
幼稚園か小学校低学年の頃にキャシャーンとかあんみつ姫とか見てたなぁ。

あんみつ姫とは少し違うんだけど、なんかアニクリ15のピタゴラスイッチ的なのを使って、男の子が女の子にキスしようとするアニメ、あんみつ姫見ると思い出すんだよなぁ。

アニクリ15は本当に最高なショートアニメが多かったんだけど、やっぱり今敏の『オハヨウ』はファンとしては外せないな。

今敏、アニメ映画も素晴らしいけれど、やっぱり妄想代理人が好きだなぁ。
終盤の投げっぱなし(に見える高度な演出)感もあれはあれで良い。
現実と虚構の狭間の崩壊を描くのが今監督は好きなんだなぁ。

妄想代理人の中では『楽しい家族計画』が印象的。
老人、ゲイ、幼女。

『楽しい家族計画』ってコンドームの自販機に書かれてる広告だったよね。
あれって誰が買うんだろうか。

そういや田中圭一の『死ぬかと思ったH』の何作目か忘れたけどどれかに、友達とコンドームを自販機で買って、風船だと思って水を入れて公園で幾つも膨らまして遊んでたら親に思いっきり殴られた、ってエピソードが載ってたな。

水風船ってよく水風船釣りでもらっては、ばいんばいんし続けて、最後は割れて服がびしょびしょになったなぁ。

水風船釣りの他に、スーパーボールすくいっていうのもよくやったよ。
部屋でスーパーボール跳ねさせては親に怒られてたな。

友達の家にあったスーパーボールにはぷよの顔が描かれてるやつがあって、欲しかった記憶。

「ぷよぷよのコスプレ」ってげんしけんで咲がやって、あのチートキャラの高坂すら「ぷよって言えない」って困ってたなぁ。

(ここで30分が経過したので終了)

2018年1月19日金曜日

ブルーグラスおすすめバンド

最近名古屋は微妙に暖かい日が続いているので、最近気に入っているブルーグラスバンドの話をします。あまりトラッド寄りではないですがぜひ聞いてって!


【The Railsplitters】

メロウな響きのバンジョーが特徴的。
初期のアルバムではトラッド色の曲もあったが、近年は独自の曲色を確立した感がある。
一番はまって聞いたかもしれない。



【Town Country】

ノースキャロライナはアッシュビル出身のバンド(Asheville NC)
「荒々しく堂々とした演奏と、彼らのハードドライヴィングなサウンド、自ら作詞作曲を手掛ける楽曲、そして爽快なライブパフォーマンスにほとばしるホンキートンクなエッジ」
みたいなことがHPには書いてあった。
上コーラスの感じも好きだし、ロカビリーな感じも良い。



【Rumpke Mountain Boys】

"Infamous Trashgrass"を自称する4人組。
(Trashgrassってかっこいいな)
Grateful Dead Hourのホスト David Gunsにも絶賛されたとか(曖昧な英語力)
何とも言えない気の抜けた雰囲気が素敵。


【The Way Down Wanderers】

ちょっとブルーグラスにはいないタイプの4人組。
(一瞬、あれ?One Direction?と思った)
5人組のフォークアメリカーナバンド(ブルーグラスにしとく)
イリノイ州ペオリアで出会ったティーンズたちが結成。
若々しさと懐かしさ。グッド。


【Split Lip Rayfield】

もうとにかく怖い3人組。
禍々しい勢いに満ち満ちている。
ベースはよく分からないけれど、ガソリンボトルか何かにネックを付けたんだと思う。
マンドリンが少しウッチャンに似てる。


【Useful Jenkins】

この動画は完全にブルーグラスではないけれど、Hip-hopにマンドリンが入ってるのが面白かったので紹介。Useful Jenkins自体はHip-hopではなくブルーグラスを基礎に、グラスルーツにオルタネイティブな音楽を作っている。



また、気に入ったバンドが溜まったらまとめて紹介します。
それでは。

2018年1月16日火曜日

ドクターペッパー

ドクターペッパーの味は説明しやすいようで説明しづらい。
というか、説明しても分かってもらえない。

大学生協にも置かれているが、中高(一貫だった)の自販機でも売られていたので、かれこれ12年はドクターペッパーとの付き合いがあることになる。
なんだか心が昂ぶった時に買っているような気がする。

そうして一人ぐびぐびと飲んでいると味を聞かれる事が多い。
「飲んだ事がない」というのは分かるが、「どこで買ったの?」と聞かれる事もあるのが謎だった。
清涼飲料水の棚を端から端まで注視することに幸せを感じる僕のような人間は、見慣れないものや、味の想像がつかないものを、とりあえず買う。
しかし、どうやらサブカルを拗らせていない人間は、自分が普段買う商品以外には目がいかないようなのだ。
これは大きな発見であった。

それで味だが、僕はいつも「杏仁豆腐」と答えている。
飲めば分かるが杏仁豆腐をサイダーにしたものに近い。したことはないが。

そもそも杏仁豆腐を薬っぽいという人も多いことから分かるだろうが、ドクターペッパーも割と薬っぽいから楽しみにして欲しい。
(ちなみにルートビアほどではない)

大学生協が近くにない人はビレバンを探して欲しい。
ただビレバンの飲料水、店舗によって何故か品揃えが全然違う。
そして高確率で何故かチェリーフレーバーのドクターペッパーしかない。

良い炭酸ライフを送って欲しい。

2018年1月15日月曜日

忘れ物センター⑦

忘れ物センター①→→
忘れ物センター⑥→



織部女史が箱を開ける瞬間、自然と俺は拳を握っていた。
箱には特に物音や、異臭や、そういった危険な様子はない。
体をこわばらせ、手を汗ばませながら、箱をのぞき込む。

まず目に入ってきたのは、紙の束であった。
...何だろうこれは。
俺はなぜだかがっかりしていた。
もっと凄い、もっと恐ろしいものを期待していたのかもしれない。

俺は紙束を手に取る。
さらさらとした手触りで、あまり使いこまれた様子もない。
束を開いてみたが、どうやらこれは原稿用紙らしい。

「原稿用紙...。なんでこんなものが?原稿...」
その刹那、俺の頭の中で電流が広がり走るがごとく、暗所へしまい込まれていた記憶が脳裏へ再び焼き付けられた。
これは確かに俺が失くしたものだった。

大学に入ってまだ1か月もたたない頃、すでに俺は孤高の男となっていた。
今では考えられないほどの熱い想いを身に秘め大学の門戸を叩いた俺であったが、それを知る者はおらず、ましてやそれを活用する術などを知るものに至っては俺も含め誰もいなかったのである。
簡単に言えばタービンが焼ききれんばかりに空回りをしていた。もしかすると焼き切れたのかもしれない。
それはとにかくとして、当時、身中で蠢いていた蒼く粘性の高い炎は、噴き出る場所を求め様々なことに俺を駆り立てた。
その噴出孔の一つがこの原稿用紙である。
一体、あの瞬間に、俺が購買で200枚の原稿用紙を購入したあの瞬間に、俺が何を志していたかについてはあえて聞かないでほしい。
それが優しさであり、俺が自ら喉を掻き切らずに生きる唯一の方法であるからだ。

言わずともご理解頂けているであろうが、その原稿用紙は半分も埋められることはなかった。
俺は抗えぬ羞恥で顔が熱くなるのを感じた。
しかし...なんだろうか。その頃に俺は...自らを突き動かす熱の溢れていたその頃に...


カッ


にわかに眼前が明るさを増した。
サングラス(ではないらしいが)越しでも分かるほどの光量が眼を突き刺す。
俺はもはや目を開けていられなくなった。
しかし、それでも目蓋を透過した光は、網膜から常識的な強度を超えた情報を脳へと送る。


俺が真っ白になっていく。





ぱたっ

という音ともに、光は消えた。
恐る恐る目を開けるとそこには世界が戻ってきていた。
女史は箱に留め金をかけて棚に戻した。
「遮光箱の中身はこんな感じです」
女史の顔には先ほどと同じ微笑みが、しかし先ほどよりもしっかりと見て取れた。
それは思っていたよりも悪戯っぽく、思っていたよりも美しかった。

--------------------

財布を回収した、という証明書にサインして俺はセンターを出た。
「また御用の際はどうぞー」
織部女史はそういうとカウンターの向こうへ消えていった。
出来れば今度大切な物を拾った時はまず連絡して欲しいものだ。

帰り道は、まぁ行きと同じなので割愛する。
誰に遭遇するともなく無事に駐輪場へ出てこれた。
すでに日は傾いていて、入る前より角度のついた太陽が駐輪場を照らしていた。


それから俺は学食に行った。
カレーを並盛で注文してから、ふと思い返しカツカレーの大盛に変更してもらう。
サイドに温泉卵と納豆も追加した。
なんだか強くなれる気がしたのだ。



追伸:
それから数日後に山岸にあったので、ざっと粗筋を報告した。
山岸は俺の話を聞いている間にコンビニで買ったビタミンドリンクを一本飲み干した。
原稿用紙のくだりは些細な矜持から省いた。

山岸はどこからかビタミンドリンクをもう一本取り出すと
「これは僕からの餞(はなむけ)だ」
と言って俺に向かってペットボトルをほうった。

「まぁそれと引き換えというか、こないだの情報料というかだがね。一つ頼みが」
そう言って山岸は顔の前で人差し指を振った。

2018年1月14日日曜日

忘れ物センター⑥

忘れ物センター①→→
忘れ物センター⑤→


「さてさて、どの棚ですかねー」
そう言いながらも織部女史はどんどんと進んでいく。
扉の向こうは貯蔵庫のようになっていた。
中央を通路が奥へと走っており、そこから左右に細い通路が分かれている。その脇道には高い棚が両側にそびえていて、通路は棚の間の谷川のようだった。

「あ、ここですね。この通路です」
いくらか通路を進んだあたりで女史が告げた。
通路のコンクリート床にG8.46と彫られている。

「G8.46.2ですので、二つ目の棚です。ほら、そこそこ」
女史の指さした方を見る。
大きな棚の下から二段目。俺の名前が書かれた紙箱がいくつか並んでいる。
女史はその一番左の箱を引っ張り出した。
「最近のものでしたらこの箱に入っていると思います。私は向こうを向いていますので、どうぞお探しください」
「なんで向こうを向くんです?」
「『ぷらいばしー』保護のためです」

女史はそう言ったが、自分たちで集めて保管しているのに、ぷらいばしーも何もあったものではない。
そう思いながら、俺は箱のふたを開けた。

------------------------

紙箱の中には小物やらなんやらが、一緒くたに詰め込まれているようだった。
そしてその一番上に、くたびれて合皮が所々やぶけた茶色の財布が置かれていた。

「あぁ!これだ!これです!しかも中身も...入ってるっ!!」
「おめでとうございます。いやー見つかってよかったですねー」
俺は今すぐにでも女史の手をとって踊りだしたかったが、婦女の手を取るだけのテンションまでは持っていくことが叶わなかった。俺の無垢な心の声が邪魔をした。

「本当にありがとうございばすっ!!」
それでも俺は涙声になりながら女史に感謝の意を告げる。
今になって思えば、彼女たちが回収しなければもっと早く見つかったに違いないのだが。

「いえいえ、喜んでもらえて何よりです。せっかく遥々こられた訳ですし、もし他にも回収したいものがあれば持って行ってもいいですよ」
女史も心なしか喜んでいるように見えたが、たぶんそれは俺の感情が昂っていたためである。
「えっ!いいんですか!!忘れ物センターはいいところですね!!」
今になって思えば、そもそも俺の物であるはずなのに、持ってって良いも悪いもあったものではないのだが。

せっかくなので箱の中を漁ることにした。
そこには混沌が渦巻いていた。
講義中に失くした消しゴム、いつの間にか抜け落ちたイヤホンのキャップ、テスト前に必死で探したテスト範囲をメモしたルーズリーフ......
...こんな小物をどうやって俺の物と特定したのだろうか。

「この箱には他に必要なものはなさそうです...ね」
あまりにも謎深い小物のラインナップにより、俺のテンションは平常時に戻っていた。
「そうですか、隣の箱もどうぞどうぞ」
既に俺の前には紙箱が二つ置かれていた。

------------------------

女史の勧めを受け、出された箱を次から次に漁ってみたが、どれも中身は最初の箱と似たり寄ったりで、必要なものは特に見つからなかった。
ただ、生徒手帳を見つけた時には、事務や交番をはしごした記憶が蘇り、「拾ったときに連絡してくれ...」という強い思いが湧いてきた。しかしこれもいらない。もう使えないし。

「こちらにも特には...あ、そこらへんの箱は別の方のやつですか?その黒いやつとか」
俺は棚の右端の方にあった黒い箱々を指さす。
「あぁ...あれはですね。ちょっと危ないかもしれませんが、見ますか?」
女史が尋ねる。
一瞬、彼女が薄く微笑んだように見えた。

女史の態度に何か含みを感じながらも、俺はうなずく。
「では、これを」
女史が右手をこちらに伸ばす。いつの間にか女史の手にはサングラスが握られていた。
よく見ると、いつの間にか女史は既にサングラスをつけていた。

「これは...?」
俺は訝しがりながらもサングラスを受け取り装着する。
「専用の保護眼鏡です。眩しすぎて目を傷めるといけませんので。サングラスではありません」
女史はそう言いながら黒い箱を引き出し、やや大袈裟な留め金を外した。

がちゃん、という音が、僕らのほかは誰もいない空間に響いた。


忘れ物センター⑦へ

2018年1月13日土曜日

忘れ物センター⑤

忘れ物センター④→

エレベーターは下へと動いているようだった。
しかし、扉の上の文字盤は1階を指したままである。

...... どれくらい時間がたっただろうか。
ゴトッ、という音と共にエレベーターが停まった。
ずっと乗っていたような気もするし、さっき扉が閉じたばかりのような気もした。

エレベータの扉が開く。
そこは想像していたよりも......ずっと小綺麗な場所だった。
てっきり暗い廊下でもまた続いているのだろうと思っていただけに、明るい小部屋を見て少しほっとした半面、居を突かれた感じがした。
赤いカーペットの床、白い壁紙、奥の壁には木でできたドアが見える。
そして、その脇にはカウンターと何枚ものディスプレイが備え付けられていて、さながら映画館のチケット売り場といった趣だ。
その中で一際目を引いたのがカウンターに立てかけられた木製の古い看板で、墨汁で達筆に「忘れ物センター」と書かれていた。

「前の受付で使われていたやつなんですよ」
ふいに声がする。
びくっとして顔を上げると、いつの間にかカウンターの向こう側に女性が立っている。

「と言っても場所が変わったわけではないんですけど。あっ、それだと改装した、って言い方のが正しいかもしれませんね」
彼女は自ら納得したように続ける。
紺のジャケットの胸に銀の名札がついており、「織部」と刻印されていた。

「えっと人の紹介で...」
「山岸さんの紹介ですね、さっき電話をいただきました。財布の件ですよねー」
待ってました、という感じで織部女史がキーボードをぱちぱちと叩く。

するとカウンターの後ろのディスプレイに俺の名前と共に、「G8.46.2」というコードが表示された。
「こちらに保管されています。案内しますよ」
というと、彼女はドアを開けてさっさと中に入っていってしまった。
置いていかれてはことだと思い、追いかけるようについていった。


-------

ドアの向こうに入った途端、俺は言葉を失った。
呆気に取られた、というのはこういう事を言うのだろう。
聡明な俺の顔も、この時ばかりは格別に阿呆と化していた。

そこは地下に空けられた巨大な空間だった。
配送センターとか、そういうのをもっと巨大にした感じで、入口からは端が見えなかった。
先程の受付とは打って変わって、四方の壁はコンクリートが剥き出し。そして、どこまでもドアが無数に並んでいた。それが上下に層になった通路沿いに、何本も走っている。


「どうです。なかなかすごいでしょう」
女史が誇らしげに言う。ちゃんと待っていてくれたようだ。

「これは……上手く考えがまとまらないけれど、どうなってるんです?」
俺は混乱が収まらないまま質問する。

「話すと長くなるので、説明しながら行きましょうか。コードは……G8ですね。こっちです」
そう言うと織部女史は歩き出した。

------

壁沿いの扉には一つ一つ番号が振られていた。
「G8は入口から近いので歩いて行けて楽なんですけど。あっ、でも遠くの場合は遠くの場合で別の方法があるから安心してください」
それも気になるが、もっと本質的な問題を解決したかったため、織部女史の「セグウェイ導入を却下された話」を遮り質問をする。

「あの、そもそも忘れ物センターとは何なんですか?」
女史が少し困ったような顔する。
しまった、本質的な質問はまずかったか?

「ここが何か……ですか。なかなか哲学的な質問ですね。忙しい時代に残された最後のユートピアの一つとか……」
そういうことではない。

「あ、ここの役割ですか?てっきりもう山岸さんから聞いているのかと思いました」
「山岸の話だと、忘れ物や落し物を(勝手に)回収して保管しているとか」
「だいたいその通りですよ。この大きな施設には山というほどに忘れ物が保管されているんです。私たちのずっと上の先達が始めた仕事を、今は私たちが引き継いで行なっているんです」
女史はまた誇らしげだった。
どうやらここでの仕事(?)に誇りを持っているらしい。

「でも、なんでそんな活動を?第一、こんな場所まで忘れ物を取りにくる人なんていないでしょう」
俺は山岸から聞いた時から不思議に思っていた事を聞いてみた。
取りに来れないならば、置き引きと変わらないではないか。
拾得物の着服ではないか。

女史はやれやれという顔をして
「忘れ物っていうのはですね...これも話すと長くなるんですが...まぁ、必ずしもその人の手元に戻るのが良いとは限らない物なんですよ」
と言うと、一つのドアの前に立ち「ここがG8です。入りましょう」と言いドアを開けた。


忘れ物センター⑥へ

2018年1月11日木曜日

忘れ物センター④

忘れ物センター③→

「3. エレベーター 1+3-3-1」
通路を抜けた先に古びたエレベータがあった。最初に言ったようなレトロな奴だ。

誰かがドアに手をかけたと同時に、俺は右の壁のドアを開け中に入った。
転がり込むように、それでいて音をたてないように細心の注意で。
廊下を誰かが歩く音が聞こえたが、音は小さくなってゆき、やがて聞こえなくなった。

ほとんど目では見えなかったが、薄暗い廊下の隅の、層をなすチラシの下に隠れるようにしてそのドアはあった。いや、実際に隠されていたのかもしれない。
俺も廊下の隅に身を寄せ、壁をなでまわさなかったら扉の存在に絶対に気づかなかった。
突然の遭遇(未遂)が逆に功を奏した。
それに忘れ物センターなるものが実際にあったとして、図書館職員全員がそのことを知っているとは考えづらい。聞く限りだいぶ捻じれた組織のようだし。

エレベーターはすでに俺のいる階に止まっていた。乗り込む。
押し込みボタン式で、壁は木で出来ていた。かなり昭和の匂いがする。
ドアの上には階数を示す文字盤がついていて、矢印は「1」を指していた。
地下から入ったが、ここは1階ということになっているらしい。

山岸からの指令書を見る。
0か、と思ったが、それでは意味が分からない。
しばらく考えたが、素直に順番通りに押してみる事にした。
1のボタンを押し込み、その状態で3のボタンを押し込む。
マイナス、というのはおそらくボタンを戻せ、ということだろう。
3を押すとボタンはまた飛び出る。そして次に1を押した。

......特に何も起こらない。
間違えたか?
そうしているうちにエレベーターのドアが閉まった。
再びボタンを押してみようと思ったその時だった。

何もボタンも押されていないエレベーターが動き出した。


忘れ物センター⑤へ

2018年1月10日水曜日

忘れ物センター③

 忘れ物センター②→


古いエレベーターというのは実に情緒がある。
階数のボタンが丸い押し込み式だったりすれば、なおさらである。
乗っていると、「吊られている」ということを強く感じるものだ。
しかし、そんなエレベーターはほとんど残っていないものだ。
近くで見た事はないし、ましてや学内の、しかも図書館に残っているとは信じられない。
実際、実物を見るまで信じていなかった。

山岸からのメモはまさに殴り書きといった感じであり、何故か指令書となっていた。

「1.図書館の地下入口。人に見られるな」

図書館の地下入口は駐輪場の奥にあった。
関係者以外立入禁止、とは明示されていなかったが、明示せずとも分かれという雰囲気に満ち満ちていた。おそらくは搬出・搬入用であろう。
山と積まれたダンボールや紙束の間を抜けるように扉に手をかける。
ノブは重かったが、鍵はかかっていないようだった。

やおら、後方から声が聞こえる。紙束の陰にしゃがみ隠れる。
二人組の男がなにやら騒ぎながら自転車を置いて去っていった。
再びドアに手をかける、脚に力を入れドアを引いた。


「2.右左右。同上」

コマンド入力かと思ったが、どうやら道順らしい。
同上という事は、やはり見つかるな、ということだろう。
こんな辺鄙な扉から入ってきているのだ、迷ったという言い訳も確かにしづらい。
そもそも財布を探しているだけだったはずだが、もはや今の姿はさほど泥棒と違いがないのではないだろうか。
疑問は尽きなかったが、とりあえずコンクリート張りの通路を右へと入る。
コマンド表通りに次は左。
心配しなくても、人の気配はほとんどない。

が、ここで困った。最後の右に相当する道が見当たらない。
左には幾つかドアがついているのだが、右は壁が続くばかりだ。
そして廊下の端も壁しかない。

(山岸のコマンド入力間違いだろうか)

右の壁には古びたチラシが無数に貼られている。いつの物だろうか。暗がりの中、擦り切れた文字を解読するのは困難であったが、かろうじて「闘争」と読めた。
その時だった。



がたん。



音がした。

気のせいだろうか。耳をすます。



がたん



誰かいる。


左のドアの向こうだ。

自分の心拍数が急に上がったのが分かった。
音は少しずつ大きくなる。

……近づいてきている。

俺はドアから少しでも離れようと、廊下の突き当たりへと進む。
音の主は、もうドアの向こうにいるようだった。


がたん


ドアに手がかけられた気配がした。


忘れ物センター④へ

2018年1月9日火曜日

忘れ物センター②

忘れ物センター①→


「忘れ物や落し物の扱いについてどう思う」
俺が少し落ち着いたのを見て、山岸は近くのベンチに腰掛けた。
手にはまだ木の棒が握られている。初期装備か。

「『どう、と言われても』という顔をしているな。財布ならまだ分からないが、ほとんどの物は適当に段ボール箱にでも詰められて事務室の前に放置してあるだろう。持っていく時にも特に確認もされやしない。『どうせ取りに来ない』と考えているんだろうな。落し物だから、仮に誰かが持ち出しても苦情の入るわけでもない」

山岸はビニール袋から緑茶のペットボトルを出した。
木の棒を持ったまま器用にフタを開ける。

「そんな状態に憤った人間がかつて立ち上げたのが『忘れ物センター』だよ。だが、今やその存在を知る者は学内にはほとんどいない。にも関わらず、忘れ物・落し物の収集活動はずっと続けられていてね。おかげでセンターが出来る前よりも、落し物が見つからないことが増えたというのだから、困ったものだ」

山岸はやれやれた言った感じで肩をすくめる。

「やれやれじゃない。とにかくそんなセンターがあるっていうなら、とりあえずそこに連れて行ってくれ」

「まぁ、そう焦るな。そこにあるなら、まず誰かに持ち出されることはない。落し物としてきちんと管理してくれているはずだ。ただ管理はするが連絡はしてくれないのが欠点なんだけどね」

それじゃあ置き引きだろ!、という言葉が喉まで出かかったがぐっとこらえた。

「ただ、残念なことにこの後用事がある。これをやろう」
そういうと山岸はリング式のメモ帳に何かを書き殴ると、一枚ちぎってこちらに渡した。


忘れ物センター③へ

2018年1月8日月曜日

忘れ物センター①

人間、貧すれば鈍するとはよく言ったものである。
実際のところ俺の生活はここ数日の間、貧窮を極めていた。
身体はカロリーを求めることをやめ、むしろ機能を低下させることに注力することに決めたようである。四肢は重くまるで死者のように蠢くことしか出来ない有様であった。

「まぁ元々、ゾンビみたいな生活を送っていたんだ。大して変わらないだろう」

と言って、山岸が目の前でコンビニのホットスナックを頬張る。
殺意が沸く前に、口から垂れんばかりの脂を見て、俺の口から泉のように唾液が湧き出てくる。

「こんな無残な男を前にして、奢ってやろうという気はないのか!お前はそれでも心を持った人間なのか!お前こそ人の心を失った悲しいサイボーグなんじゃないか!」
俺はがなりたてた。
道行く人々の視線がこちらに集中する。
悔しさからか、侘しさからか、俺の目からは涙がこぼれそうであった。心の汗である。

「奢ったり、金を貸したり、そういうのは主義に反してね」
山岸はウエットティッシュで口を拭ったが、口の周りは依然脂で光り輝いていた。

「財布を落としたぐらい、厄を落としたとでも思うしかないね。もしかすると大学に住むと言われる東山の妖精が持って行ってしまったのかもしれない」

「ファンタジーで慰めるな!!そもそもそれは慰めているのか、いや、誰が言ってるんだ、それは!」


先週末のことであった。
珍しく大学に出てきた俺は自分を褒め讃え、褒美として学食でカレーを食べさせてやることにした。カレー程度と侮るな。カツカレーである。
注文を終えカツカレーを受け取り、会計に立つ。

その時何か嫌な違和感を感じた。
普段後ろポケットに感じている圧迫感が……ない。
脂汗をかきながら右手で自分の尻を撫で回す。
が、ない。
俺の使い込まれた長財布はどこかへ旅立っていた。

そこからカツカレーがどうなったかについては、ここでは話すのも躊躇われるから聞かないでおいてくれ。



山岸に対する俺の語気はだんだんと荒さを増して行く。
その勢いに圧されたのか、俺の目の血走りに本能的なエマージェンシーを感じたのか、珍しく山岸が少したじろぐ。

「まぁ、それだけ大学中を探し回って、事務室を訪ね歩いたのなら、もう望みはだいぶ薄いんじゃないか」
山岸はちょっと距離を取りつつそう言った。
俺の噛み締めた歯の間から、嘆息にも咆哮にもにた呻き声が漏れる。

「あ、そういえば」
山岸が思いついたように言った。手には反撃のためか、木の棒が握られていた。

「最後の希望になるか分からんが、一つ心当たりがある」

俺は噛み付くのをすんでのところで止めた。


忘れ物センター②へ

仏像でバズった先輩のトークライブレポート

先日、先輩が仏像でバズった。
Twitterに投稿した一つの画像、それが話題を呼んでバズりにバズり、最終的にはテレビ出演(VTR)も果たしたそうな。
その先輩こと「つるま」氏が今回トークライブをやるらしいということで、良い後輩代表として馳せ参じてきた次第である。

イベント名は『「謎の大観音」ネット大捜索劇の舞台裏! 渦中の第一投稿者「つるま」さんが激白』である。
CM前のバラエティかと思ったが、内容が大体分かる良いタイトルだと思うことにした。

風の吹きすさぶ矢場町を歩き会場を探す。
なんとか看板を見つけ地下に降りて行く。

降りて行く途中で黒いマスクをつけた(おそらくマスクの下は)強面のお兄さんとすれ違う。
「あれ?客層違くない??」と思っていると、ギターの音まで聞こえてきた。いよいよ雲行きが怪しい。何か嫌な予感がする(スターウォーズ)。

そんなこんなで階段で2,3回の昇降運動をしているうちに、どうやら奥にもう一つ店舗があるらしい、ということがわかった。
なんとか『ボクモ』にたどり着いた。




店内は素晴らしくおしゃれで、僕が入っていいのかと一瞬躊躇したが、怖いお兄さんはいなさそうなので受付を終え席に着く。

今回、対談相手は名古屋通なら皆が知っている、知らない人も書店で本だけはちょっと知っている大竹敏之氏である。名古屋文化研究の最前線にいる方である。






イベントは、くだんの画像から始まる。
謎の巨大観音像、押し寄せる情報ツイート、伸びるリツイート数。
この流れについてはウェブニュースで色々と取り上げられていたので知ってる人が多いと思うので、詳しくは説明しないが、寄せられた情報が面白い。

観音のデザインや持っている三又槍の意味合いから始まり、土台の石垣、写真に写った人々の服装や、帽子の種類、袈裟の意匠、更には写真の植生や季節...etc。





ネットらしく「みんなが口々に知ってる事を披露する」ゲームが始まった!、と当時バズった流れを見ながら思っていた僕だったが、これもつるま氏の術のうちだったらしい。
ツイートには確かに「仏像、着物、植物、建築などのマニアの方のご意見、情報お待ちしてます。」と書かれている。この一文が大きなうねりを産んだ要因だったのかもしれない。

様々な情報が飛び交い、寄せられる情報が何ループかしたあたりで、一冊の本についての情報が寄せられ、最終的にはそれから青島の観音像にたどり着くこととなる。






NHKを始め、「集合知」という言葉で紹介される今回の捜索劇であるが、話を聞いていると微妙に本質から外れている気がする。
実際のところ、仏像の特定に至ったのは数本の情報の連鎖によるものであり、多くの情報を加算して、というよりも、「数々の情報は結果的に正解であった」というような感じだ。集合感はそんなにない。裏づけにはなったかもしれないが。
しかし、ネットでみんなが情報を届けた結果、このビッグウェーブに繋がったのだから、間違いでもないのだろうか。

それにしてもネットで検索しても何の情報も見つからなかった観音像が、SNSを通しての一次情報から特定される、というのは面白い。
ネットには全ての情報が揃っているように思い込みがちだが、その隙間を埋めるものを見た気がした。

(つるま氏のコミカルなトークと、大竹氏の耳触りの良い合いの手で会場は何度も湧いた)

しかしネットどころか、文献的にも情報の残っていないもの、こと「コンクリート大仏」
というジャンルにおいてはそうしたものが数多いそうだ。
一時期、全国的に多くのコンクリート大仏が作られたものの、いまではコンクリート製は偽物(これはつるま氏のツイートから)という風潮などから脇に追いやられ、その大きさから壊すに壊せず忘れ去られていったものも多い。

なんだろうか「時代に取り残されたもの」「時代の忘れ物」といった感じだ。

大竹氏やつるま氏はそうしたコンクリート大仏を始めとしたコンクリート像の記録を残す活動をしている。
年代的にも、時代の忘れ物が永遠に忘れ去られる前に何か手立ての打てる、その最後の時期が来ているのかもしれない。

元々「ネットによって得られた情報」についてのイベントであったはずだが、イベントを通して逆に「自らの足で稼ぐ情報の重要さ」について学んだ気がした。

そんなことを思いながら、店を後にした。
となりの店もイベントが終わったのか、強面の人々が出てくるところだったので、足早にして逃げるようにビルを去った。

2018年1月5日金曜日

板チョコ

コンビニやスーパーでチョコレートを買おう、と思った時に何を買うか、というのは重要な問題である。ここで買う種類によって性格が分かると言っても過言ではない。

僕が選ぶのは板チョコである。故に僕は質実剛健な男だと導ける。
理由は自分で考えてくれ。ここは学校じゃないんだ、かといって遊び場でもない。
いいやつばかりじゃないし、悪いやつばかりである。

そんな生粋の板チョコ派の僕を近年悩ます事がある。

板チョコが軽い!!板チョコが軽い!!!
なんなんだ!!この満足感のない重量は!!!
板チョコを製造する菓子メーカーがこぞってチョコレートを小さくしている。
このサイズでは満足などできるものかっ!
しかし、より大きいサイズの板チョコは高い。
あの最近OLに人気のチョコは特に高い。
大体「形の違いで色々な味わい」などあるものか。そもそも板チョコなんて買ってる奴に微細な違いなど分かろうはずもないだろうが、常識で考えろ。
ウォンカチョコは板チョコかどうかも疑わしい。ビレバンも近くにない。

ガーナはどうしたんだ。
振るとカタカタ鳴るぞ。箱ごし手に悲しいバイブレーションが伝わってくる。
いつからそんなにスマートになったんだ。
そもそもガーナの暴力的な甘みはなんなんだ。美味いけど。

meijiの板チョコはケースがない分スマートなボディがむき出しになってしまっている。
肉をつけろ。歩留が低すぎる。あっという間に食べ終わる。
味は相変わらずバランスが取れてて一番食べやすい。

Morinagaはそもそも売ってない。味がわからない。
文字の書体が気に入らない。デカい。そんなに美味しそうじゃない。
見ないから細くなったかも分からない。細くないならもっと売ってくれ。
細くなったならロゴも小さくしてくれ。

バリューブランドの板チョコについては言うことがない。
プライドを感じないプラスチック包装を裂くが、中のチョコレートがむちゃくちゃ出しづらい。
裂いてるから長辺方向に切れているが、そもそも板チョコは短辺方向に切るものだろう。だから出しにくいんだ。

こんな感じではもう100円で板チョコを買って満足する時代は遠くなりにけり。
仕方がないから、意外と安いコアラのマーチを食べている。


追伸 :
きのこの山とたけのこの里のアソートパックがあるのは周知だと思う。
こないだ、大きな袋に「たけのこの里」だけの小パックが入っているアソートがあった。
大きなパッケージにたけのこだけが並んでいて、とても寂しい気持ちになった。
だいぶ排他的な里なのだろう。

2018年1月4日木曜日

休み明けの憂鬱

冬休みが終わった。
1/3までの休みなので、正月休みとか年末年始休みという方が正確には違いないのだが、冬休みと呼ぶことで子供心を体に留めている。

1/4の今日から研究室に来ているのだが、まぁやる気が出ない。
こういう時に嫌に真面目になって自己嫌悪などしてしまうのは良くない。
真面目なのは良いことだが、同時に視界が狭まり目の前の物しか見えなくなることも多い。
一回、肩の力を抜いて傍観してみれば、みんなやる気もなくぽつぽつとやっている中で、一人焦って苦しんでいる、ということが起こりがちである。

大体誰だって休み明けは調子が出ないものなのだ。
ただその程度に多少の差がある。
おそらく僕はその「調子の出なさ」が人一倍酷い方だと思う。
これを引きずり長引かせると色々とまずいことになるので、上手くエンジンを温めなければならない。

大体、高馬力のエンジンほど長く放置したらかかりにくいものなのだ。
僕は機械に詳しくないから、想像で言っているが、たぶんそうだ。
というわけで忘れた習慣を少しずつ身体の記憶から呼び覚まさねばならぬ。

とりあえず嫌々でも研究室に出て来た。
もうこの時点で僕は自分のことを素晴らしいやつだと思ってやることにした。
年末年始の間、ただ餅を食べてはごろごろするだけの生活をしていた。
「我々の体は食べたもので出来ている」とはよく言ったもので、なるほど僕の体は餅のようになっていた。腹もよく伸びる。
新生児の体重程度肉は増えたような気がする。
その身重の体を引きずるようにして来たのだから褒められて然るべきではないか。

と思い、あとはコーヒーでも飲みながらだらだらして、最低限 of 最低限のことだけをこなしてきた。まぁそれでも2,3はやるべき事をやって、あとは適当にやりたい事をやっていたから、今日は行った価値があったような気がする。
それに、今日を踏まえて明日は多少体も動きやすくなっているはずだ。
人の体はそういう風に出来ている。少なくとも僕はそうだ。
やはり行った価値があるなぁ、と思いながらコーヒーをずびびと飲む。

さて、自分で「価値がある」「意義がある」と思えることがやはり重要で、人は価値のないことをやっていられない。
昔の牢獄で、「穴を掘り、ある程度の大きさになったら、その穴を埋める」という罰が行われていたという。これに従事した囚人は気が狂ったと言われている。
何か「まぁ意味はなくないよな」と自分をごまかしつつ動かしていくのが良い気がする。
結果として色々とやれているのだ、嘘も方便である。

そんな感じで今年は上手く自分の身体を操って生き延びていこうと思う。
あとは餅のような身体に焼きを入れ、やきもちの一つも妬いて貰えるような人間を目指そうか。

追伸 :
ちなみに友人は一人で砲丸を投げ、グラウンドに自分で空けた穴を埋めて、また投げて、と繰り返していたところ、たまらなく辛くなって陸上部を辞めたそうだ。当たり前だと思う。


2018年1月3日水曜日

スターウォーズをあまり知らないけれど、スターウォーズ Ep.8を観てきた

タイトルの通りである。
スターウォーズを知らないとは言っても、全く観たことがないわけではない。
一作品だけ、しかも映画館で観たことがある。『ローグ・ワン』である。
これはスターウォーズ好きに驚愕と困惑を与えるらしい。

僕がその時に持っていたスターウォーズについての知識といえば、「ダースベイダは悪い奴!」「主人公はルーク」「レイア姫のセクシーシーンは海外の少年たちには刺激が強いらしい」「ヨーダは緑色」くらいしかなかったのだが、息もつかせぬ演出にぐいぐい引き込まれていった。

その時に初めて「スターウォーズってこんなに面白いんだ!!」と感動したのだ。
そのため今回はスターウォーズ Ep.8を観に行ってきた、という次第である。
Ep. 8というくらいなので、おそらく8作目なのだと思う。

最初にあらすじ?みたいなのが宇宙をバックに流れるシーンがあったが、見慣れない単語ばかりであまり頭に入ってこなかった。どうやらどこかの共和国が壊されたらしい。
主人公はルークと思いきや、力強いイケメンな女性が主人公だった。
ミラジョボビッチとか、そういうイケメン感がある。

どうやらこの女性はルークを探しにきたらしい、というところから物語が始まる。
ダースベイダーは出てこなかったが、ポスト・ダースベイダーみたいな男が出てきた。
「ジェダイ」というのが伝説的に強い、というのはローグワンで学習済みである。
どうやら今回はそのジェダイをレジスタンスがなんとか味方にしたい、という話らしい。

そんな曖昧な理解で作品を見ていくのだが、やはり面白い。
静寂から爆発、鬱屈から爽快。
コントラストが巧みに変えられてゆき、終始わくわくしっぱなしであった。

ここまでの流れを詳しく知らないため、何がネタバレになるか分からない。
そのためここで筆を置かせてもらう。

「スターウォーズってシリーズ多すぎてよくわかんない!何から見ればいいの!?」
という方が多いと思う。
僕はこう答える。
「映画館でやってるやつを観よ」
ルーカスフィルムはきっとあなたを興奮させてくれる。
それから昔のエピソードを観るのも悪くないはずだ。

というわけで僕も前のエピソードを観ようと思います。

2018年1月2日火曜日

2018年 正月

紅白を途中でやめて、Abemaの録画を布団でぬくぬく見ていたらいつの間にか年が明けていた。明けたので寝た。

中高までは友達と近所の寺社仏閣を回っていた。
信心深い日本人ゆえである。巫女さん目当てなどでは決してない。
しかし24にもなると布団が恋しい。


などと2018年の初めから年寄りじみた話から初めて申し訳ない。
こんな年越しであったが、正月は毎年の事ながらハキハキと働かされる羽目になる。

元旦、祖母を連れて家族で大須観音を詣でる。
そういえば元旦とは元日の朝を指すらしく、元旦の朝とは重言だそうだ。
世の中にはそうしたトラップが多くて、少し間違えると急に愚か者に転落するから、一言一句にびくびくしてとても会話が出来ない。沈黙は金とはよく言ったものである。

ちなみに引いた御神籤は去年と同じ番号だった。
今年の運勢は2017年と同じである。ループしている。

初詣の後は祖母の家で揚げ物を運ぶ重要な任務に就く。
祖母くらいの世代だと、普段節約した分をこういう目出度い行事に注ぎがちである。
そのために用意された大量の鶏肉とエビが、次から次へと油に投げ込まれ、そうして出来た大量の揚げ物が机に運ばれていく。
その最後の段階の「運び」を担当するのが僕である。
祖母揚げ物亭のホール担当である。

が、なかなか他の親戚がやってこない。
仕方がないので揚げたてのエビを食べる。
想像以上に身がぷりぷりとしていてなかなか美味だ。
大皿の半分ほど食べたところで親戚がやってきたため、エビフライを勧めたところ、なぜか親戚はエビを二度揚げしに行った。
なるほど、やけにぷりぷりな訳である。急にお腹が心配になってきた。

酒を注ぎ、寿司を食べ、揚げ物を運び、揚げ物を食べる。
そうしているうちに正月は過ぎていく。

将来、僕が(万が一)家庭を築くことがあれば寝正月を家訓にしたいと思う。
正月から駆け回る日々にアディオス。シエスタにこんにちは。

2018年は十分に寝たいと思う。よろしく頼みたい。


追伸 :
従姉妹に男子が産まれたのでお年玉を渡した。
名実ともにおじさんとなっていく自分に焦りを覚える。
子供の名前は覚えられない。おじさんなので。