2017年10月29日日曜日

仮装現実

栄は仮装した人々で溢れていた。
広場で何か催しをやっているのだろう。改札を通り抜け次から次へと面妖珍妙な一味が歩いていく。
妖怪に化ける者あり、ただフィクションに化ける者あり、顔に模様を描いただけの有象無象の魑魅魍魎あり。
あいにくの台風だというのに、僕の前を通り過ぎて行く人々は、みんながみんな笑顔であった。
ハロウィン。生者と死者の世界が混ざる日である。
死者の仮装をした人々は生気をおびていた。
そんな風景を眺めながら、生者の仮装をして日々を暮らしてゆく人々に思いを馳せた。

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